小型移動式遠隔測定システム(Telemetry System)開発プロジェクト(RID(灌漑局) |
RID(灌漑局)とHAIIとの共同研究・開発 経緯及び主旨 洪水、干ばつの問題は、毎年、経済・社会に損失をもたらす国家の大きな問題となっています。そこで、発生可能性のある損失を防止及び低減するため、 降雨量及び水位の測定システムを非常時の警報及び平常時の水マネジメントに導入することが必要となってきました。しかし、一般に使われている遠隔測定シス テムは、大型のものが多く、予算も高くかかるため、あらゆる地域に設置するというわけにはいかず、需要通りに使用することができません。そのため、国家科 学技術開発委員会の下のHAIIは、価格が安く、移動しやすく、小型の遠隔測定装置を開発し、大型の遠隔測定局に代えて、又は、これをサポートする形で導 入し、降雨量及び水位を測定することにしました。また、データは、インターネット上のGISの形態で即時に自動方式で接続・表示されるため、水マネジメン トにおける担当官がすばやく入手し、損害のリスクのある地域の市民に警報を発することができます。このようにして、RID(灌漑局)とHAIIの協力によ る小型移動式遠隔測定システムの開発が実現しました。 目的
対象地域 北部7ヶ所 ルーイ河流域5ヶ所 ラムタコーン河流域4ヶ所 ラムプラプルーン河流域2ヶ所 プラーチーンブリー1ヶ所 サケーオ3ヶ所 トラート1ヶ所 西部(カーンチャナブリー、ラーチャブリー、ペッブリー、プラーンブリー)6ヶ所 * 既に使用している22ヶ所は、次の2グループに区分されます。 グループ1チャオプラヤー流域地域5ヶ所に常設。内訳は、ナコーンサワンC2観測所、チャオプラヤー・ダム下流観測所、ラーマ6世ダム・観測所、パックハイ(ノーイ河)観測所、及び、ロッブリー河口観測所。 グループ2 移動可能のもの。初期は、北部流域(キウロム・ダム上流地域8ヶ所、及び、ラムパーオ・ダム上流地域8ヶ所)に設置(約3ヵ月間)。その後、装置を移動 し、西部及び南部北側(ラムプラムルーン・ダム上流地域8ヶ所、及び、ケンクラチャーン・ダム上流地域・ペッブリー流域・プラーンブリー・ペッブリーの 8ヶ所)に設置(約3ヵ月間)。 小型移動式遠隔測定システムは、2004年に導入され、リアルタイム・自動方式(Automatic & Real-Time)の水位・降雨量データの必要なRID(灌漑局)のプロジェクトにおいて、設置・試験がおこなわれています。例えば、ペッブリー流域、 プラーンブリー流域、チャオプラヤー流域、チャンタブリー流域、ピン河流域などのプロジェクトでは、まだ遠隔測定システムが使用されていませんが、設置・ 使用試験により、問題点が発見されており、そうした多くの経験を積みながら、より良く使用できるよう改善されていく予定です。 2005年、ラヨーン県地域における時間毎の降雨量データ送信のため、小型移動式遠隔測定システムが設置されました。これは、干ばつの問題の解消を 目的としたもので、3日間で13ヶ所に測定観測所が設置されました。1ヶ所の観測所にかかった時間にすると、3時間となります。また、設置後すぐにデータ の送信ができたため、地域内の降雨量データを迅速に把握することができました。データベースは統計データとしてまとめられており、過去に遡って閲覧するこ とが可能です。更に、携帯電話のショートメッセージシステム(SMS)による警報を送信することもできます。 装置
期待される効果 |